猫ちゃんのおしっこに血が混じってしまっている状態、つまり血尿を起こしてしまっている場合、キャットフードによって予防することが可能なのかわからないという人も多いでしょう。
病気や炎症が起こっている場合は不可能ですが、フードによって血尿が出やすい場合、餌の選び方を間違えなければ予防が可能です。
では、どのようなキャットフードを選べば良いのかみていきましょう。
キャットフード教授
血尿の症状に!キャットフードの選び方!3つのポイント!
血尿が出てしまうのがキャットフードが原因とは一見繋がりがないように思えてしまいますよね。
しかし、しっかりと安全性の高いキャットフードを選ぶことによって、血尿予防に効果が期待できますので覚えておきましょう。
では、どのような餌を選べばいいのか、今回は3つのポイントに絞ってみましたので参考にしてください。
- 消化に良く高タンパク質なキャットフード
- カルシウム・マグネシウム含有が抑えられたキャットフード
- 尿酸pHを酸性に保ってくれる成分が含まれているキャットフード
この3つのポイントはキャットフードの中に含まれる成分によって血尿が出てしまう猫ちゃんには効果的なので、しっかりと覚えておくことをおすすめします。
では、これらのポイントがどう影響してくるのかについて詳しくみていきましょう。
1. 消化に良く高タンパク質なキャットフード
消化が困難な食べ物というのは腎臓にも負担がかかってしまうため、腎臓に負担がかかっているために血尿が起こっている場合は治りも遅くなってしまいます。
猫ちゃんにとって消化に良い食べ物というのは必須栄養素である動物性のタンパク質です。
また、品質も「新鮮チキン」や「チキン生肉」といったようにどういう状態のタンパク質なのかを明記しているもののほうがタンパク質もたっぷりで安全性にも信頼できます。
また、消化に関して言えば肉メインのキャットフードよりも魚がメインの方が消化吸収率が高いので、消化機能が低下しているシニア猫ちゃんの場合は魚の方が良いでしょう。
一点選ぶ際に気をつけて欲しいのが、「〇〇ミール」、「〇〇パウダー」といったようなどのような状態の肉・魚なのかわからない、いわゆる4Dミートが含有されているキャットフードです。
この4Dミートは非常に品質が悪く、長期的に摂取をしていると発がんや変異疾患のリスクを高めてしまう可能性があるため、4Dミートが含有されているキャットフードは選ばないようにしましょう。
2. カルシウム・マグネシウム含有が抑えられたキャットフード
血尿の原因の多くは膀胱や尿道に石や砂ができてしまう尿路結石です。
この尿路結石はミネラルバランスが崩れてしまうことによって起こると言われており、特にカルシウムとマグネシウムがあまり多く含まれてしまっているのは良くありません。
尿路結石の発症率は成猫時期はマグネシウムによる結石、シニア猫になるにつれてカルシウムによる結石が多くなりますので、カルシウム・マグネシウム含有が抑えられたキャットフードを選ぶことがおすすめです。
カルシウムは大体2.0%前後、マグネシウムは大体0.15%前後を目安とすると良いでしょう。
また、ミネラル及びビタミンは猫ちゃんにとって必須の栄養素でもあるため、あまりミネラルバランスについて考えすぎて栄養価が低いキャットフードを選んでしまうのも問題です。
あくまでバランスが整った安全性の高いキャットフードということを念頭においておきましょう。
3. 尿酸pHを酸性に保ってくれる成分が含まれているキャットフード
尿酸がアルカリ性になってしまうことによって膀胱や尿道に結石が生じやすくなるため、血尿リスクを高めてしまうということになります。
そのため、尿酸のpHを弱酸性に保ってくれる成分が含まれているキャットフードも選ぶポイントの1つです。
この尿酸pHを酸性に保ってくれる成分の代表としてクランベリーなどに含まれるキナ酸が挙げられます。
キナ酸を例として、尿酸pHを酸性に保ち、尿路結石予防に期待できるキャットフードをおすすめします。
【安全なものだけ】血尿で苦しんでる猫向け!キャットフードの比較一覧!
血尿になってしまっている猫ちゃんは顔には出さないものの苦しんでいることを考えると、どうにかして治ってほしいことを考えてしまいます。
そこで、先ほどの3つのポイントを基に市販されているキャットフードを選ぼうとペットショップへ行ったは良いものの、かなりの種類から選ばなければならないため、とても苦労してしまうでしょう。
そこで、今回当サイトで生物博士とキャットフード教授が徹底的に調査した88種類のキャットフードの中から安全性基準ランクA以上のキャットフード10類にしぼり、先ほどの3つのポイントを比較していきたいと思います。
タンパク質含有率 | カルシウム・マグネシウム | 尿酸pH調整成分有無 | |
カナガンチキン | 37% (チキン) |
1.58%・0.09% | 有 |
モグニャン | 30% (白身魚) |
0.62%・0.12% | 有 |
ファインペッツ | 32% (アヒル&ニシン) |
1.1%・0.7% | 有 |
カナガンキャットフードサーモン | 37% (サーモン) |
1.89%・0.13% | 有 |
ジャガー | 40% | 1.7%・不明 | 有 |
オリジン | 42% (チキン) |
1.4%・0.09% | 有 |
アーテミス『オソピュア』 | 40% (サーモン) |
1.0%・0.09% | 有 |
アーテミス『フレッシュミックス』 | 30% (チキン) |
1.0%・0.09% | 有 |
アカナ | 37% (チキン) |
1.2%・0.1% | 有 |
ナウフレッシュ | 31% (ターキー) |
0.8%・0.08% | 有 |
安全性の高いキャットフードだけに尿酸pHを調整している成分が全て配合されてありますし、カルシウムとマグネシウム含有率も2.0%・0.15%以下とおすすめの基準値です。
タンパク質含有率も30%以上と豊富に含まれており、肉がメインのものと魚がメインのものがありますので、猫ちゃんに合わせたメインのキャットフードを選ぶことができるでしょう。
もし、血尿で苦しんでいる猫ちゃんに合ったキャットフードを選びたい場合は、この10種類の中から選ぶことをおすすめします。
ただ、10種類はまだ多いということであれば、次に紹介するキャットフードおすすめランキングから選んでみると良いでしょう。
血尿で苦しんでる猫向け!キャットフードおすすめランキング!
では、血尿で苦しんでいる猫ちゃんにとって安心しておすすめできる10種類のキャットフードからさらにランキングをつけるとすればということで3種類のキャットフードをピックアップしていきたいと思います。
比較だけでは見れない部分もあるので、キャットフード選びに迷っているひとはぜひランキングを参考にしてみてください。
カナガンチキン
- イギリス産の平飼いチキンを60%使用
- カルシウム・マグネシウムも調整含有
- キナ酸配合で尿路結石予防にも効果的
- 穀類不使用・無添加
- チキンの自然な香りが猫ちゃんの食欲をそそる
また、消化の負担とならないように穀類は不使用・人工添加物も不使用と安全性においても抜群におすすめできるキャットフードとなっています。
モグニャン
- 白身魚(スケトウダラ)をメインにした高タンパクフード
- カルシウム・マグネシウムバランスも良い
- 尿路結石予防にクランベリー配合
- 穀類不使用・無添加
- オメガ3脂肪酸で毛艶・毛並み改善にもおすすめ
白身魚に含まれるオメガ3脂肪酸は猫ちゃんの毛並み・毛艶改善に期待できますので特に長毛種の猫ちゃんにうってつけと言えます。
ファインペッツ
- 低アレルゲンのアヒル&ニシンを使用
- カルシウム・マグネシウムが抑えられたフード
- 尿酸pH調整成分たっぷりと配合
- 穀類不使用・無添加
- 徹底した品質管理の元で生産
吸収効率も高くタンパク質含有率も高いですがカロリーが高めになっているので消化機能が低下している、あるいはシニア猫ちゃんには少しおすすめできないデメリットがあります。
猫ちゃんがなりやすい病気「尿路結石」って何?
猫ちゃんがなりやすい病気の1つに尿路結石があり、膀胱から尿道の間に石や砂ができてしまうことによって尿に血が混じってしまうということを先ほど話しました。
そもそも猫ちゃんは砂漠で生きる動物だったので、さほど水分を必要としないという点も尿路結石ができやすい特徴なのです。
また、猫にとって必須アミノ酸であるタウリンが不足することによっても尿路結石になると言われています。
こまめに水分を与えてあげるということと、タウリンが多く含まれる新鮮な肉・魚がメインのキャットフードを選んであげましょう。
キャットフードによって血尿を予防する場合は、この尿路結石による血尿を予防することが主となりますのでおぼえておいてください。
キャットフード教授
血尿になってしまう原因はどんなものがある?
尿路結石による血尿は散々解説したので理解してもらえたかと思いますが、尿に血が混じってしまうのは様々な原因があります。
では、血尿になってしまう原因はどのようなものがあるのでしょうか。
- 尿路結石
- 膀胱炎
- 尿路感染症
- 玉ねぎ中毒
- ヘモプラズマ中毒
- 熱中症
- 衝撃による腎臓・膀胱損傷
血尿が出てしまう場合、以上のような原因によって起こってしまいますが、羅列するだけで結構な種類の原因があることがわかります。
感染症や炎症によって腎臓が負担がかかってしまうと尿に血が混ざってしまう可能性がありますが、また、尿路結石以外の原因の場合キャットフードによる予防や改善というのは難しいです。
しっかりとケアするためには動物病院で検査をしてもらい、適切な治療を受けてもらうことをおすすめします。
活動的な猫ちゃんの場合、高所から落下してしまった衝撃によって腎臓や膀胱が損傷してしまったために起こっている可能性があるのも覚えておかなくてはなりません。
その場合は損傷部位が回復するまでは血尿になってしまうため、安静にしてあげて改善へと導いてあげましょう。
血尿が出るときの対策は?
初めて猫ちゃんが血尿を出してしまったときというのは病気になってしまったのかとパニックになってしまう人も多いでしょうが、まずどのような対策をすればいいのか覚えておくと冷静に対処することができます。
まず大切なのは、血尿が出てしまう以前に思い当たる節がないかどうかを振り返ることです。
尿路結石を疑うのであればしっかりと水分は与えていたかどうか、キャットフードは尿路結石予防成分が配合されているものを与えていたかどうかという点があげられます。
また、室外で飼っている猫ちゃんは感染症のリスクがどうしても避けられませんし、落下やケンカによって腎臓や膀胱を損傷してしまうリスクというのも考えなくてはなりません。
また、室内で飼っている猫ちゃんであれば温度調節をしっかりしなければ熱中症によって血尿が出てしまうこともあるので、血尿が出てしまったときの振り返りをしっかり行って適切な対処をするようにしてください。
血尿を起こしている以外にも嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が併発している場合は動物病院へ連れていきましょう。