猫ちゃんがやたら身体をかゆがってしまう、あるいは発疹やかぶれなどを起こしてしまっているのはもしかすると皮膚炎を起こしてしまっているかもしれません。
実は皮膚炎はキャットフードによって発症リスクを予防することも期待できますので、今回は皮膚炎に悩む猫ちゃん、予防したい猫ちゃんにキャットフードの選び方とおすすめキャットフードランキングを紹介していきましょう。
キャットフード教授
皮膚炎の症状に!キャットフードの選び方!3つのポイント!
皮膚炎は感染症や病原菌によって起こってしまうことも多いですが、意外にもキャットフードに含まれている成分によっても起こってしまいます。
また、皮膚炎の発症するリスクを下げるために、栄養を補給して抵抗力を高めていくことを考えるとやはり日々の食事は大切です。
では、皮膚炎の症状に対してどのようなキャットフードを選べば良いのかということですが、今回は以下の3つのポイントを覚えておきましょう。
- 高品質かつ豊富に含有された動物性タンパク質
- グレインフリー・人工添加物不使用でアレルゲンカット
- オメガ3脂肪酸が配合されているキャットフード
このポイントを抑えたキャットフードを見つけるのは中々難しく、かつしっかりと選ぶ目を持たないと皮膚炎を悪化させてしまうことにも繋がってしまいます。
では、これらのポイントがなぜ皮膚炎に悩む猫に効果的であるのかを詳しく見ていきましょう。
1. 高品質かつ豊富に含有された動物性タンパク質
猫ちゃんにとって最も栄養となる成分は肉類や魚類に含まれる動物性タンパク質です。
そのため、キャットフードのタンパク質含有率が30%以上で、かつ高品質で安全性に信頼のできる肉・魚が含まれているものを選ぶようにしましょう。
高品質であるかどうかを見分けるコツとしては、成分表示名に記載のタンパク質が「どのような部位・状態」であるのか明記しているかを参考にしましょう。
例えばチキンであれば「乾燥チキン」、「骨なしチキン生肉」、「新鮮チキン」などです。
魚でも「フレッシュサーモン」、「生ニシン」、「ディハイドレートサーモン」といったような表記がある方が選ぶ側もどのようなものを含有しているのか把握しやすく安全性にも信頼ができるでしょう。
一方気をつけておきたいのは低品質の動物性タンパク質が含まれているキャットフードです。
キャットフード教授
キャットフード教授が言うように4Dミート(「Dead=死んでいる」「Dying=死にかけている」「Disabled=不具合」「Diseased=病気である」の略称)は低品質なタンパク質の代表と言うべき成分なので、皮膚炎の予防や対策のことを考えれば選ぶべきではありません。
- 〇〇副産物
- 〇〇消化物
- 〇〇粉
- 〇〇パウダー
- 〇〇ミール
以上のような成分が含まれている場合は4Dミートだと判断して選ばないようにしましょう。
2. グレインフリー・人工添加物不使用でアレルゲンカット
皮膚炎というのはキャットフード内に含まれるアレルギー物質によって引き起こされる可能性があります。
そのため、キャットフード内によく含まれてしまうアレルゲン成分をカットしているキャットフードがおすすめです。
では、どのような成分がアレルギーを引き起こしてしまいやすいかというと、「グレイン(穀物)」と「人工添加物」があります。
グレインは小麦・大豆・とうもろこしといったものを指し、人間にとってはエネルギー源となる炭水化物を含んでいますが、猫ちゃんにとっては炭水化物はそこまで必要なく、グレイン自体アレルゲンになることや消化を苦手としているのが現状です。
しかし、生産者側のコスト削減のためにかさ増しとしてこのグレインが含まれていることが多く、市販のキャットフードを見るとグレインが含まれているのをよく見かけます。
猫ちゃんの皮膚炎のことを考えるのであればグレインフリーのキャットフードを選びましょう。
また、人工添加物に関しては猫ちゃんにとって何のメリットもなく、発がんや変異疾患リスクを高めてしまう危険な添加物も平気で含まれていることがあるので注意が必要です。
プロピレングコール、ソルビン酸カリウム、グリシリジンアンモニエート、没食子酸プロピル、エトキシキン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、亜硝酸ナトリウム、赤色40号、青色2号、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、赤色3号、黄色5号、黄色6号、青色1号、青色102号、赤色105号
以上のような添加物は猫ちゃんの成長の妨げとなり、アレルギーを引き起こして皮膚炎を悪化させることにも繋がりかねないので「人工添加物不使用・無添加」のキャットフードを選ぶようにしてください。
3. オメガ3脂肪酸が配合されているキャットフード
皮膚を健康に保つための成分というのもキャットフード内に含まれていることがあります。
その代表として知られるのは「オメガ3脂肪酸」と呼ばれる成分です。
オメガ3脂肪酸は魚に多く含まれている脂肪酸の一種で「DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)・α-リノレン酸」を構成しています。
このオメガ3脂肪酸は脳の神経伝達物質のサポートだけではなく、皮膚・粘膜の健康を維持する、毛並み・毛艶のキープにも作用を示すので、皮膚炎予防にはうってつけの成分です。
魚に多く含まれてはいますが、安全性の高いキャットフードには少なからず含まれているので、大体1%前後含まれているキャットフードを選ぶようにしてみましょう。
オメガ3脂肪酸を含む不飽和脂肪酸というのは猫ちゃんにとって過剰摂取することにより黄色脂肪症(イエローファット)と呼ばれる病気を発症するリスクを高めてしまうからです。
そのため、もしオメガ3脂肪酸を含んだキャットフードを与えたいと考えているのであれば青魚メインよりも白身魚メインのキャットフードを選んであげるほうが良いでしょう。
【安全なものだけ】皮膚炎で苦しんでる猫向け!キャットフードの比較一覧!
摂取する食べ物によって皮膚炎を引き起こしてしまうのであれば、アレルギーとなる物質は選ばないということが大前提です。
しかし、市販されているキャットフードを見てみると、安全性において信頼のできるもの、あるいは皮膚炎に効果的な3つのポイントを抑えたキャットフードが少ないことに気づきます。
そこで今回当サイトで調査した88種類のキャットフードの内、安全性基準ランクがA以上のものが10種類ありますので、このキャットフードを基に先ほどのポイントを比較していきましょう。
タンパク質含有率 | アレルゲンカット | オメガ3脂肪酸含有率 | |
カナガンチキン | 37% (チキン) |
グレイン・人工添加物 | 0.82% |
モグニャン | 30% (白身魚) |
グレイン・人工添加物 | 2.08% |
ファインペッツ | 32% (アヒル&ニシン) |
人工添加物 | 0.4% |
カナガンキャットフードサーモン | 37% (サーモン) |
グレイン・人工添加物 | 3.89% |
ジャガー | 40% (チキン) |
グレイン・人工添加物 | 1.4% |
オリジン | 42% (チキン) |
グレイン・人工添加物 | 1.2% |
アーテミス『オソピュア』 | 35% (サーモン) |
グレイン・人工添加物 | 0.6% |
アーテミス『フレッシュミックス』 | 30% (チキン) |
人工添加物 | 0.6% |
アカナ | 35% (チキン) |
グレイン・人工添加物 | 0.9% |
ナウフレッシュ | 31% (ターキー) |
グレイン・人工添加物 | 0.48% |
安全性の高いキャットフードということなので、全てタンパク質には高品質のものを使用しており、4Dミートは一切配合されていません。
また、タンパク質含有率も30%以上となっているため、栄養面で見てもおすすめできるキャットフードといえます。
差が出ている点でいえばやはりオメガ3脂肪酸の含有率ですが、肉をメインにしているか魚をメインにしているかで差が出てきているのがわかるはずです。
そのため、皮膚炎予防や対策のためにオメガ3脂肪酸を重点にするかどうかで選ぶ基準としても良いのではないかと思います。
10種類の中からキャットフードを決めるのはまだ種類が多くて難しいということであれば、次のキャットフードランキングを参考にしてみてください。
皮膚炎で苦しんでる猫向け!キャットフードおすすめランキング!
食べ物によってアレルギーを起こしてしまい、皮膚炎に発展してしまうことを防ぐにはしっかりとしたキャットフードを選ぶべきですが、先ほどおすすめした10種類のキャットフードの中から選ぶのも一苦労です。
そこで、安全性基準ランクA以上のキャットフードの中からさらに3つに絞ってランキング形式でおすすめしていきたいと思います。
どのキャットフードが良いかわからないという方はぜひ参考にしてみてください。
カナガンキャットフードサーモン
- 新鮮なサーモンを使用
- グレインフリー
- 人工添加物不使用
- オメガ3脂肪酸3.89%含有
- 消化に優しいためシニア猫ちゃんにもおすすめ
サーモンは消化に優しいため、離乳食を始めた子猫からシニア猫まで全ライフステージに対応しているキャットフードと言えます。
ジャガー
- 肉・魚のタンパク質をメインにした高品質フード
- グレインフリー
- 人工添加物不使用
- オメガ3脂肪酸1.4%含有
- ヒューマングレードの高品質食材を使用
皮膚炎対策のためにグレインフリー・人工添加物不使用・オメガ3脂肪酸を含有となっており、その他の食材もヒューマングレード品質なので安全面においてかなりの信頼ができるキャットフードと言えます。
モグニャン
- 新鮮な白身魚を使用した消化に優しいフード
- グレインフリー
- 人工添加物不使用
- オメガ3脂肪酸2.08%含有
- 品質管理が徹底された工場で生産
また、消化吸収効率にも定評があり、自然なかおりで猫ちゃんの食いつきも良いため、消化機能が低下している猫ちゃんやシニア猫ちゃんにも安心して与えることができるのが特徴です。
猫ちゃんの皮膚炎はどのような種類がある?原因は?
今回猫ちゃんがかかってしまう皮膚炎のうち、キャットフードに含まれる成分によって発症してしまうものにフォーカスを合わせて紹介しました。
しかし、皮膚炎は他にも種類があり原因が違ってきます。
そこで最後に簡単に皮膚炎の種類と原因を見ていきましょう。
1. アレルギー性皮膚炎
猫ちゃん自身が持つアレルギーが発症し、皮膚に現れてしまうのをアレルギー性皮膚炎と呼び、今回メインに解説した食物アレルギー以外にも花粉やハウスダストなどがあげられます。
キャットフードによるアレルギーであればやはり安全性が高くアレルゲンカットのキャットフードを選ぶことが何より大切です。
2. 細菌性皮膚炎
人間と同様に猫ちゃんの皮膚には皮膚常在菌と呼ばれる細菌が存在し、猫ちゃんに対して良い利益をもたらしています。
しかし、免疫力の低下によって細菌のバランスが崩れてしまうことによって皮膚が炎症を起こしてしまうことがあるのです。
これを細菌性皮膚炎と呼びます。
3. 真菌性皮膚炎
皮膚常在菌ではなく外界からのカビが付着して増殖することによって起こるのは真菌性皮膚炎と呼び、猫ちゃんの身体が不清潔な状態が続くと発症リスクは増えてしまいます。
また、真菌は高温多湿な環境を好みますので、特に夏場には注意しなくてはなりません。
4. 寄生虫性皮膚炎
ノミやダニといった寄生虫によって皮膚が炎症を起こすものを寄生虫性皮膚炎と呼び、主に室外で飼っている猫ちゃんに多く見受けられます。
また、ノミ・ダニの種類によって皮膚の外に寄生するもの、皮膚の内側に寄生するものと分けられているのが特徴です。
5. 内分泌性皮膚炎
内分泌されるホルモンの異常によってかゆみ成分が発生してしまい起こる皮膚炎症を内分泌性皮膚炎と呼びます。
この内分泌性皮膚炎が起こった場合は、併発して抜け毛の症状や体重減少など健康にも影響を与えてしまいかねないのでよく観察して動物病院へ連れて行ってあげましょう。
キャットフード教授