猫ちゃんに与えるキャットフードの量というのは子猫とシニア猫では大きく違います。
また、猫ちゃんの活動量によっても差があるため、基本的な適量の計算方法を知っておかなくては猫ちゃんにとって足りない、あるいは多すぎる量を与えてしまいかねません。
そこで今回はキャットフードの正しい与え方として、ライフステージ毎の適量の計算方法について見ていきましょう。
キャットフード教授
キャットフードの適量はライフステージによって違う!
猫ちゃんの中でカロリーを必要としている順として子猫>成猫>シニア猫となっています。
子猫は一番成長が著しく、その分カロリーも必要となってきますのでしっかりと栄養を補給させて上げることが大切です。
またシニア猫になると好奇心も落ち着き活動量も低下し、それに伴って代謝量も落ちてきてしまうため、そこまでカロリーを必要としなくなってきます。
そのため、子猫のときと同じ量のキャットフードをシニア猫に与えてしまうと、肥満につながりかえって病気になりやすい身体になってしまうでしょう。
キャットフード教授
ということで、ライフステージ毎にキャットフードの正しい与え方と適量を紹介していきましょう。
子猫のキャットフードの正しい与え方・適量の計算法
子猫は一番カロリーを必要とするため、キャットフードもそれだけ与えなければならないということをお話しました。
大体成猫よりも2倍から3倍ほどの量を必要とすると考えておきましょう。
子猫のうちキャットフードを与えるようになるのは生後100日(約3ヶ月)と言われていますので、徐々にキャットフードに慣れさせてから適量を調整してください。
子猫に与える食事回数は3~4回/日がおすすめ!
子猫はまだ1回に食べる量が少ないため1日に与える回数というのは3~4回と少し多めになります。
そのため、必要とするカロリーから計算して小分けにする必要があるため、一番計算をして与えなくてはならない時期とも言えるでしょう。
子猫の成長はキャットフードによる栄養がとても重要なので、栄養不足にならないようにしっかりと適量を考えて与えるようにしてください。
子猫の時期のキャットフードの適量は「体重×200kcal」
子猫に与えるキャットフードの適量は「体重×200kcal」を基本として考えると良いでしょう。
例えば体重が2キロの猫ちゃんの場合、2キロ×200kcalとなるため1日に400kcal必要という計算になります。
これを1日3~4回に分けて与えることを考えると1回に与えるカロリー数は3回の場合は約130kcal、4回の場合は約100kcalを与えればいいわけです。
子猫の場合、体重が日に日に変動していきますのでカロリーが少なくならないようにしっかりと管理をしていきましょう。
成猫のキャットフードの正しい与え方・適量の計算法
子猫も1年経つと立派な成猫になり、繁殖のための準備も整うということなので驚きですよね。
成猫になると子猫よりもカロリーを必要とはしませんが、室外で飼っているのか室内で飼っているのかによっても必要なカロリーが変わってきます。
また、猫種や性格によっては活発に活動する子もいるため、キャットフードの与え方には微調整が必要になることもあるでしょう。
キャットフード教授
成猫に与える食事回数は2~3回/日がおすすめ!
子猫のときと違い成猫になると消化器官も成熟し、歯も生え揃っているため一度に食べる量が多くなります。
そのため、さほど回数を分けて与える必要もなくなるので1日大体2~3回に分けて食事を与えてあげましょう。
ただ、猫ちゃんによっては一度に食べず気分によって食べる量が変わるという気まぐれな子もいますので、基本的な回数と適量を覚えてあとは猫ちゃんの性格に合わせて工夫をするのがおすすめです。
成猫の時期のキャットフードの適量は「体重×80kcal」
成猫は子猫よりもカロリーを必要としませんが、大体「体重×80kcal」を目安に与えるのが基本的となるので覚えておきましょう。
体重が4キロの猫ちゃんの場合は4キロ×80kcalとなるので1日合計で320kcalを目安にしてください。
320kcalを2~3回に分けるため、2回の場合は約160kcal、3回の場合は約106kcalとなるようにすると良いでしょう。
シニア猫のキャットフードの正しい与え方・適量の計算法
シニア猫は子猫や成猫と比べると活動量も代謝量も低く、カロリーを必要としませんので普段と同じように与えてしまうと肥満の原因になってしまうこともあります。
シニア猫にとって肥満の状態というのは内臓に負担をかけてしまいますし、活動量の低下に拍車がかかることにもなるため、しっかりとカロリー計算をして与える必要があるということです。
また、一度の食事量が少なくなるということはそれだけ餌に含まれる栄養素が重要になるということなので、より安全性に信頼ができる高品質なキャットフードを選ぶ必要も出てきます。
シニア猫に与える食事回数は1~4回/日がおすすめ!
シニア猫は一度の食事回数も少なくなるため、数回に分けて食べる猫ちゃんもいますが1度の食事で済ませてしまう猫ちゃんもいます。
そのため食事回数は1日に1~4回という大きくばらつきが出てしまう回数になっています。
しかし、さほど気にする必要はなく、普段から1日3回に分けて与えて猫ちゃんが食べているということであればそのまま与えてあげましょう。
突然餌の回数を変えるということの方が猫ちゃんにとってはストレスとなってしまいます。
あくまで猫ちゃんの生活に合わせた調整をしていきましょう。
シニア猫の時期のキャットフードの適量は「体重×60kcal」
餌を与える回数よりも大切なのはシニア猫ちゃんに適切な必要カロリー量を与えるということです。
成猫の時期と同様のカロリー数を与えていると、自然とカロリーオーバーとなってしまい肥満につながってしまいます。
シニア猫は消化機能や代謝が衰えてしまっているため、肥満になると病気の併発リスクが高くなってしまうので注意が必要です。
シニア猫ちゃんの必要カロリーの適量は「体重×60kcal」とおぼえておきましょう。
猫ちゃんが3キロの場合、3キロ×60kcalとなるので1日約180kcalを摂取できるように計算して与えると良いです。
2回に分けて与えるのであれば1度に90kcalの量を与えるようにしましょう。
キャットフードの適量に関するFAQ
ライフステージ別にキャットフードの正しい与え方、適量の計算方法を理解してもらえたのではないでしょうか。
では最後にキャットフードの適量に関してそれ以外の疑問にこたえられるよう以下のFAQを設けました。
- 肥満気味の猫ちゃんには低カロリーのキャットフードがNGの理由
- 痩せ気味の猫ちゃんに適切なキャットフードの与え方はある?
- 猫ちゃんには食欲不振・食べ過ぎの時期がある?気をつける点とは
ライフステージ以外で猫ちゃんの体重や食いつきが変動することもありますので、それにも対応して正しくキャットフードを与えられるように覚えていきましょう。
肥満気味の猫ちゃんには低カロリーのキャットフードがNGの理由
猫ちゃんが運動嫌い、あるいはおねだり上手のためについついおやつを与えすぎてしまうなどの理由から猫ちゃんが肥満気味になっているという家庭もあると思います。
猫ちゃんは少し太っている方がぷにぷにしていてかわいいですよね。
しかし、肥満の状態というのは糖尿病や関節炎のなど病気や怪我のリスクが高くなってしまうため、太りすぎてしまっている場合はしっかりと体重を管理してあげなくてはなりません。
そこで、1日の摂取カロリーを抑えれば良いという考えから低カロリーのキャットフードを購入してしまう方もいますが注意が必要です。
低カロリーのキャットフードが猫ちゃんのダイエットにおすすめできない理由は2つあります。
まず1つ目は猫ちゃんの満足感・満腹感です。
ヒトでも同じようにカロリーゼロの食品を食べ続けていると食べた気がせず満足感もなく、逆に食欲が湧いてしまい欲望に負けてしまうということは多々あるでしょう。
それは猫ちゃんも一緒で、低カロリーのキャットフードは猫ちゃんにとって満足感が少なく、かつ満腹になる気がせずに結果的に食べすぎてしまうことにつながります。
2つ目としてはカロリーを抑えるためにカットされた栄養素です。
カロリーが抑えられているということはキャットフードの中に含まれている成分がカットされているということになります。
実はそのカットされている成分の多くは猫ちゃんにとって必須な栄養素である動物性タンパク質と脂質なのです。
猫ちゃんはほぼ肉食動物なので動物性タンパク質から栄養を補給する生き物ですし、脂質は猫ちゃんのエネルギーにもなり、満腹感を与えるための重要な成分でもあります。
そのため、肥満気味の猫ちゃんにはしっかりと運動をさせる環境と、360~400kcal内の安全で高品質なキャットフードを与えることを前提として、おやつを抑えるなどの工夫をしながらダイエットをさせるようにしましょう。
【キャットフード教授
痩せ気味の猫ちゃんに適切なキャットフードの与え方はある?
肥満気味の猫ちゃんもそうですが、痩せ気味の猫ちゃんにもキャットフードの与え方には気をつけなくてはなりません。
痩せ気味の猫ちゃんのためにカロリーの高いキャットフードを与える、あるいは1日に与える餌の量を増やすという考えでは安易です。
まずは痩せてしまった原因はないのかを考えなくてはいけません。
痩せてしまう原因のうち病気のサインであった場合は、その病気を治療しなくてはキャットフードを食べてくれないばかりかどんどん衰弱してしまいます。
また、キャットフードが好みではないときも食いつきが悪くなり、痩せ気味になる傾向があるためしっかりと観察してまずは痩せてしまった原因を突き止めていきましょう。
また、キャットフードはカロリーがあまり高いものを選んでしまうと消化器官に負担がかかってしまうため、あまり高すぎず、かつ低すぎないバランスの取れたものを選ぶことをおすすめします。
キャットフード教授
猫ちゃんには食欲不振・食べ過ぎの時期がある?気をつける点とは
野生動物というのは本来自分のお腹に適切な量というのを把握しているため、食べない・食べ過ぎということはありませんが、何かの要因があると起こる可能性があります。
特に発情期を迎えた猫ちゃんというのは生理的ストレスもあり、食欲不振になりがちなので成猫になった猫ちゃんには気をつけなくてはなりません。
また、発情期というのは食欲不振だけでなく抜け毛など生殖行為ができない猫ちゃんにはどんどんストレスが身体に現れてきてしまうため去勢・避妊手術を行う家庭もあると思います。
そうすると今度は生理的ストレスから解放されたことによって餌を食べすぎてしまうという事態も起こってしまいがちです。
そのため発情期を迎えた猫ちゃんは、食欲不振・食べ過ぎという時期があるということを認識しておき、いつでも十分な餌を与えて症状を落ち着かせられるようにしておくと良いでしょう。
キャットフード教授